AIKOM って?AIKOM というのは東京大学教養学部が運営している交換留学制度です。東大からも学生が全国に学びに行きますし、全国から東大に学生が学びに来ます。AIKOM 事務室は駒場の14号館3階にあるので、AIKOM 生のパーティーに出たかったり海外から来た AIKOM 生のチューターをしたかったり、または AIKOM を利用して海外で学びたかったりする場合はまず AIKOM 事務室を訪れてみてください。 このページに記述してあることは主に自分の経験と推測に基づいているので、事実と違う部分もあるかと思います。正確を期すよう心がけておりますが、その旨ご承知おきください。 オーストラリアへの学部留学・交換留学については別ページにまとめました。 AIKOM の利点・欠点交換留学協定なのでいくつか特典があります:
また、いくつか弱点もあります:
しかしながら、これらを考慮に入れてもなお AIKOM 制度は大きな魅力です。私費で行く短期の語学留学と比べてみてください。学費を払う必要はありませんし、大学の正規の授業を現地の学生と同じように受けることができます。また、1年間学ぶことができます。東大の学生だと大学院のレベルで留学を考えている人が大半でしょうが、学部レベルの留学もまた刺激的です。学部レベルのほうが現地学生の比率が高いので、より現地の文化に触れることができるでしょうし、日本の大学と比較して見聞を広めることもできるでしょう。 また、確かにアメリカやイギリスに行きたがる人は多いのですが、それに比べるとアジア・オセアニアやヨーロッパ地区に応募する学生は少ないようで、気軽に応募することができます。実際去年のオセアニア地区の募集はオーストラリア2名(シドニー大学・モナシュ大学)とニュージーランド2名(オークランド大学・オタゴ大学)だったのですが、応募したのは全部で3名と、定員割れするくらいでした。 わたしはいま AIKOM 制度を使ってオーストラリアのシドニー大学に留学していますが、やはり学部生で留学する人は、アメリカから来る人を除いて非常に少ないです。周りに日本人がいないほうがいいから学部での留学を考えたのですが、そもそもシドニー大学に来る日本人自体が全くいないようで、取り越し苦労でした。こちらに来て2ヶ月経って、英語が上達したかというと自信はありませんが、違う文化に触れることで大きな刺激を受けました。 正直に言うと、将来研究者になろうとしている人にとっては、学部レベルでの留学はアカデミックな意味ではあまりプラスにはならないでしょう。しかしながら、誰も知り合いがいない土地に一人で暮らす経験、日本以外の文化・言語の中に身を置いて自分自身を相対化する経験は若ければ若いほど印象に残るでしょう。実際こちらの生活に慣れてきたあと、東大に行かず直接海外の大学に来ればよかったと後悔したこともあります。それほど留学中に得る毎日の経験が新鮮で楽しいのです。 ただ、直接海外の大学に入学しないで東大で2年間学んだ経験も活かされています。特にオーストラリアの制度では、高校生から日本でいう大学の一般教養科目が始まるので、直接入学したら一般教養の知識がなくて困っていたことでしょう。駒場の前期課程で一般教養を勉強したおかげで、シドニー大学で最終学年(文科系は3年生)の授業を取っても無理なく理解することができます。 さて、留学に興味が湧いてきましたか? AIKOM に申請AIKOM への申請時期は、提携先大学によって異なります。だいたいアジア・オセアニア地区の募集は9月末~10月初頭、北米・ヨーロッパ地区の募集は10月中旬に掲示されます。 応募するときの書類は前期課程の成績表と(あれば)後期課程の成績表、それと交換留学志願理由書(400字~800字程度)に交換留学志願書です。成績はよければよいほどいいので、留学希望の人は前期課程でしっかりいい成績を取りましょう。わたしの成績はよかったとはとても言えません(平均点76点)が、無競争だったので助かったのでしょうか……。とはいえ、平均点90点を越えていても選に漏れることが珍しくないらしいので、行きたい大学にもよるのでしょうし、成績だけで決まるものでもないのでしょう。 また、AIKOM には教養学部後期課程に進学内定している2年生も応募できます。第1次段階で進学内定した人はアジア・オセアニア地区にも出願できると思いますが、時期的に第1次段階で内定していない人は2年生では無理かもしれません。アジア・オセアニア地区の競争率が低いのは、この時期の AIKOM の認知度が低いのも理由として考えられるかもしれません。 そして、英語圏に留学希望の人は TOEFL や IELTS のスコアを書く欄があります。これらのテストは申請前に受けておいてスコアを知っておいたほうがよいでしょうが、必須ではありません。実際わたしはスコアが 9.11 の影響で多少遅れたため面接の時点で分かりませんでしたが、スコアが分からない場合はその旨伝えればだいじょうぶみたいです。前期課程や後期課程で語学を履修していればその成績も考慮に入れるようです。TOEIC 930点 なんて人でも行けなかったりするので、語学はあくまでも条件なだけで、語学ができるからといって特別配慮されるものでもないのでしょう。 ちなみに、シドニー大学に申請するためにはコンピュータベースのテストで 233 点、ライティングセクションで 4.5 点以上が要求されるのですが、TOEFL 未受験で交換留学生に選ばれたはよいものの、その後結果が返ってきたら 203 点(ライティング 2.5 点)だったので急いで次の回を受けました(でも混んでいて希望した日に入れるのは難しかったです)。結局最高得点 230 点(ライティング 4.0 点)で水準には達しなかったのですが、年明けにシドニー大学からの入学許可が降りたので、英語力が足りないからと最初から諦めるよりは、積極的に挑戦することが大事です。 英語圏の大学では募集が一度に行われるため、第1希望・第2希望・第3希望まで申請することができます。自分の場合は科学哲学分科の学生で、シドニー大学以外は科学哲学を教えている大学がなかったので、シドニー大学以外書きませんでしたが、面接の際なぜシドニー大学以外を書かなかったのか、そしてもしシドニー大学に行けなかったとして他の大学に行けるとしたらどの大学が考えられるか/どうしたいかは訊かれました。留学すること自体に目的があるのであればそれを志願書に書いて説明し、第1希望以外も埋めておけば第1希望が他の人に決まっても拾ってくれるかも分かりません。 募集受付締め切りまでに願書を提出すると、締め切り当日または翌日、遅くとも数日以内に面接日時が告知されます。指定された日時が都合悪い場合は AIKOM 事務室に連絡すれば変更してもらえます。 面接は14号館 AIKOM 事務室周辺で行われます。教養学部の先生方3人に加えてボチャラリ先生(AIKOM 担当の先生です)の面接を受けます。一昨年カリフォルニア大学の交換留学に出願したときは日本語での面接とボチャラリ先生との面接とは部屋も別でしたが、去年のシドニー大学の交換留学に出願したときは同じ部屋で同時に行われました。 訊かれる内容は成績表と留学志願書に書いてあることがほとんどです。なぜ留学したいのか、なぜその大学なのか、自分の専攻と留学に関係はあるのか、卒業したあとはどうするつもりか、などです。一通り日本語での面接が終わると英語での面接になります。どういう基準で英語の面接を評価しているのか分かりませんが、訊かれたことがあるのは「大学で一番好きな場所はどこですか」「大学では普段なにをしていますか」「自己紹介をしてください」「目の前にいるのが留学先の大学の面接官だと思って、大学に入ったあとなにがしたいか喋ってください」などです。お世辞にもわたしは英語が喋れるとはいえない(前期課程ではフランス語・ドイツ語をいずれも初習で履修したので英語は2年間全く触れませんでした)ので、よくこれで決まったなぁと自分でも不思議に思うくらいです。 面接が終われば近日中に結果が知らされます。直接本人にも教えられますし、掲示板にも張り出されます。オセアニア地区の場合は2時ごろ面接で4時には結果を教えてくれましたが、北米地区など人数が多い場合は選考に数日かかります。 晴れて交換留学生に選ばれたら、さっそく留学の準備に取りかかりましょう。 留学前の準備ここから先はオーストラリアへの留学に限定した話題になります。他の地区に留学した経験は(もちろん)ないので、アメリカに留学を考えている人はアメリカに行った人を捕まえて話を聞きましょう。 オセアニア地区に留学の場合、学期の始まりが3月初頭なので、学校が終わってすぐ次の学期が始まることになります。冬学期の試験を受けられない場合でも先生と交渉すればレポートで OK、なんてこともありますので、出発の時期を早目に死体のであれば先生と交渉しましょう。 現在学生ビザは大使館に直接持っていっても受け付けてもらえず、全て郵送になります。オーストラリア大使館に行くつもりがオーストリア大使館に行ってしまったのもいい思い出です……(駅が同じなんですよ)。郵送でも速達分の料金を同封すれば帰りの便も速達で返してくれるので、書類さえ揃えば1週間ほどで届くでしょう。学生ビザがないと学生料金で飛行機のチケットが取れなかったりするので、ビザの申請は早目がよいです。 さて、ビザの申請には申し込み用紙と受入先大学の CoE (Confirmation of Enrolment) のコピー(FAX で送られてくるのでコピーして提出します)が必要です。申し込み用紙は大使館の web ページからダウンロードできます。CoE は留学生健康保険に代金を払い込まないとおりないので、手続きを早目に済ませる必要があります。代金は銀行小切手を作らなければいけないので、近くの銀行に行って銀行小切手を作ってもらってください。わたしはシティバンクで ANZ 銀行の銀行小切手を作ってもらいました。UFJ 銀行でも東京三菱銀行でもいいので、銀行小切手を受入先大学に郵送するのに数日かかるので、年が明けてから手続きをすると意外と時間を取られます。 渡航の時期はシドニー大学の場合2月の19-21日までが留学生のオリエンテーションだったため、2月の15日に飛行機を手配しました。直前になって予約を入れたので、オリエンテーションに出るためにはこれ以外ない、という状況だったのです。しかし実際オリエンテーションに出てみると、あまりたいしたことはありませんでしたし、そもそもオリエンテーションに出ていない留学生もたくさんいました。そういうわけで、オリエンテーションに出るために日程を詰めるよりは、自分の都合のよいようにチケットを取りましょう。いずれの場合もチケットの手配だけは早目早目にしましょう。 オリエンテーションより問題なのは住居です。留学生は2月の頭からやってきて部屋を探す人が多いようで、遅くなれば遅くなるほど物件が残っていません。英語の勉強がてらホームステイをしたい、という人がいるかと思いますが、ホームステイはまず不可能なのであっさり諦めましょう。シドニー大学に通えるような場所でホームステイはありません。大学の寮も入りたいなら9月のうち、つまり AIKOM に選ばれる前に申請しておかないと無理なので、必然的に選択肢は部屋のシェアか一人暮らしになりますが、部屋をシェアするのがオーストラリアでは一般的ですし、シェアメイトと親しくなれるのでこちらを当たることをお薦めします。 あれは向こうにないだろうから、とか、これも向こうにないだろうから、といっぱい持っていきたくなるかもしれませんが、日本で買える日用雑貨はほとんどチャイナタウンに行けば揃いますし、そのほうが安いです(クオリティについては問わないでほしいですが)。着の身着のままやってきてもたぶん問題ありませんし、荷作りに時間を使うくらいなら友人や先生への挨拶に時間を割きましょう。 海外にいると友人や家族との連絡はメールがいちばん手軽ですが、やはり親しい人には手紙を書いたり電話したりしたくなるものです。わたしはうっかり今年度の手帳しか持ってこなかったので、手紙を出したくても住所が分からない、電話したくても電話番号が分からない、という状態になったので、アドレス帳を忘れず持っていきましょう。最初手紙なんか書かないよ、メールで十分、と思っていても絶対書きたくなるものです。 留学中のお金は恐らく銀行から引き下ろすでしょうが、大きな銀行であれば国際キャッシュカードを手数料1000円くらいで発行してくれるので、新たに口座を開くのが面倒な人はこれを利用しましょう。日本円とオーストラリアドルは自動で切り替わるので、日本円で口座を持っていてもだいじょうぶです。日本でオーストラリアドルを換金して持っていくとかなりレートが悪いので、トラベラーズチェックを作って持っていくとよいです。トラベラーズチェックも空港で換金できますし、手数料は取られますがそれでも日本円でオーストラリアドルを買うよりレートがよいです。手間でなければ数十万円分くらいトラベラーズチェックで持ってきて現地で口座を開き、現地の銀行に入れる、というのがもっとも安全でもっとも賢い方法だと思います。 現地に到着してからここがいちばん苦労するところなのですが、もう昔のことになってしまったので、まとまった文章は書けなくなってしまいました。どうもすみません。具体的に訊きたいことがあれば返答できるかと思いますので、 トップページのメールアドレスまでメールください。 |